私は、現在55歳の専業主婦であり、59歳の夫との離婚を考えています。年金を受給するまでの間、生活に不安があるので、離婚に際して、夫に対して財産分与を求めたいと考えています。しかし、私たち夫婦には特に財産はないので、夫が来年定年退職する際に支給される退職金の半分を分与してほしいと考えています。退職金は、財産分与の対象となるのでしょうか。
退職金は、賃金の後払い的な性格が強いので、実質的な婚姻期間(同居期間)に相応する部分は、夫婦が婚姻中に協力して形成した財産であるといえます。したがいまして、既に支払われた退職金のうち、実質的な婚姻期間に相応する部分は、財産分与の対象となります。
しかし、将来支払われる退職金については、退職時期や会社及び本人の事情、経済情勢などに左右されるので、必ずしも財産分与の対象となるわけではありません。もっとも、退職時期が近いなど、退職金が支給されることがほぼ確実な場合には、財産分与の対象と認められる場合が多いといえます。金額や支払方法については、離婚時点で退職すれば支給されるであろう金額を基準として離婚時に支払う、将来支給されたときに支払うなどの方法が考えられます。