避難区域内の財物損害の賠償については何も決まっていないのですか。
原子力損害賠償紛争解決センターの統括基準では、動産(製造業の機械・機具などの生産設備、卸小売業・サービス業などその他の事業者の事業用設備、住宅の家財等)であって避難等対象区域内に存在するもの、及び避難区域内の不動産については、①避難等を余儀なくされたことに伴い管理が不能等となったため、価値の全部又は一部が失われた場合における価値の喪失又は減少分及びこれらに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用、②その価値を喪失又は減少させる程度の量の放射性物質に曝露した場合における価値の喪失又は減少分及びこれらに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用、③財物の種類、性質及び取引態様等から、平均的・一般的な人の認識を基準として、本件事故により当該財物の価値の全部又は一部が失われた場合における価値の喪失分又は減少分及びこれらに伴う必要かつ合理的な範囲の追加的費用について、被害物の現状等が確認できない場合であっても、速やかに賠償すべき損害であるとしています(詳しくは原子力損害賠償紛争解決センターのホームページ「統括基準について」を参照ください。)。したがって、避難区域内の財物損害については、原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介の申立を行うことにより、早期の賠償が得られる可能性があります。