弁護士法人ブレインハート法律事務所

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2015

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扶養義務等に係る金銭債権についての強制執行については、どのような特例が定められているか

夫婦は互いに協力扶助しなければならず、婚姻から生ずる費用を分担しなければなりません。一定の範囲の親族は、互いに扶養する義務があります。夫婦が離婚する場合は、子の監護に要する費用(養育費)を定めます。これら、婚姻費用、扶養料、養育費は、確実に支払を受けるべき要請が強いと言えます。

そこで、これらの金銭債権についての強制執行については、特例が定められています。

強制執行は、原則として、履行期の到来していない請求権についてはすることができないものとされています。しかし、扶養義務等に係る金銭債権が、確定期限付定期金債権である場合(毎月何日などと支払期日が定められている場合)に、その一部について支払が遅れた場合は、まだ支払期日になっていない債権についても、債権を差し押さえる方法による強制執行をすることができます。この場合は、差し押さえることができるのは、各請求債権について、その支払の期限が到来した後に弁済期が到来する給料などに限られます。

また、債権を差し押さえる方法による強制執行では、給料などの債権を差し押さえる場合は、一定範囲について差押えが禁止されますが、扶養義務等に係る金銭債権を請求債権として給料などの債権を差し押さえる場合には、差押えの許される範囲が広がります。

未払い賃金

賃金とは、使用者が労働者に対して支払う労働の対価です。賃金は、労働者やその家族の生活を支える生活の糧ですので、確実に労働者の手に渡るように、①日本国内で通用する通貨で、②労働者本人に直接、③全額を、④毎月1回以上、⑤一定の期日に支払わなければならないという決まりがあります。使用者が賃金を支払わない場合だけでなく、この5つの決まりに反した賃金の支払方法をとっている場合、本来であれば支払われるはずの賃金を請求することができます。

不当解雇

解雇には、労働者に対する制裁としてなされる懲戒解雇と、整理解雇(いわゆるリストラ)を始めとする普通解雇の2種類があります。普通解雇をする場合には、解雇に客観的に合理的な理由を要し、かつ社会通念上相当と認められる必要があります。懲戒解雇をする場合には、就業規則に定めがなければならず、かつ、懲戒解雇という重い処分をすることが妥当な場合でなければなりません。整理解雇をする場合には、①経営上必要があること、②使用者が解雇を避ける努力を尽くしたこと、③人選が妥当であること、④手続きが妥当であることという条件を満たさなければなりません。これらの条件に当てはまらない解雇は、不当解雇として、無効となります。

パワハラ・セクハラ

パワー・ハラスメントとは、職場で上位の立場にある者が、その権力を利用して、下位の立場にある者に対し、心理的、肉体的な苦痛を与えることです。上司が部下に対し、意図的に仕事差別をすることや、過度に厳しい言葉で罵倒することなどがパワー・ハラスメントにあたります。
セクシャルハラスメントとは、職場の内外で職員が他の職員に対し、性的な内容の発言や性的な行動をすることです。意図的に性的な内容のうわさを流すことや、他の職員の面前でわいせつな雑誌を読むことなどもセクシャル・ハラスメントにあたります。

子どもがいじめに遭っているのではないかと思うのですが、はっきりしたことが分かりません。今後、どのように対応したらよいでしょうか。

まずは事実を確認することが先決です。不確実な事実に基づいて対応を行うと相手から反論されて、かえって不利な立場に追い込まれる可能性があります。

お子さんと十分に対話して事情を聞くことは勿論ですが、その他にも、友達やその保護者・学校に事情を聞くなどして事実を確認してください。

最初はいじめがあったと言っていても、後で話が変わってしまうこともありますので、会話を録音しておくことも必要となる場合があり得ます。

会話の録音は違法ではありませんが、後でトラブルになることもありますので、可能であれば相手の同意を得てから行う方がよいでしょう。

いじめの証拠として十分かどうか自信が持てないときは、早めに弁護士に相談して意見を聞いて下さい。不十分な証拠で相手の責任を追及する場合、後でかえって不利になることもあるからです。

子どもがいじめに遭っていることが分かり、証拠も確保しました。今後、どうしたらよいですか。

まずは学校に相談して対策を考えることが考えられます。

しかし学校側の対応が十分でないと感じる場合は、早めに弁護士に相談してください。

弁護士が交渉し、あるいは調停やADR(裁判外紛争解決手続)などの手続を利用して加害者側と話し合うことにより、事態を早期に解決できる可能性もあります。話合いによる解決が期待できない場合は、訴訟を提起することも検討する必要が生じます。

なお、子どもへの悪影響が大きい場合は、転校も検討する必要があるでしょう。加害者が悪いのに被害者が転校することには納得できないという感情があると思いますが、後で加害者に損害賠償を請求することで衡平を図ることも可能です。

子どもの友達の親から、子どもが友達をいじめていると抗議されました。どのように対応したらよいでしょうか。

まずはお子さんに事実を確認してください。その上で、相手に謝る必要があると感じたときは、常識の範囲内で早期に謝罪すべきでしょう。

ただし、謝罪しても抗議が続く場合や金銭的な要求などをされた場合は、早めに弁護士に相談してください。一般的に不適切と考えられる場合であっても、法的な責任が発生するかどうかについては、別途慎重に検討する必要があります。

子どもが学校でいじめられた場合、いじめた子どもだけでなく、教師や学校の責任を追及することは可能ですか。

保護者からいじめについての相談を受けていたなど、いじめを予見できたのに、何の対応もしなかったという場合には、いじめた子どもだけでなく、教師や学校にも責任が発生すると考えられます。いじめの場合、加害者側に損害を賠償する十分な財産がない場合もあり、こうした場合には学校に対する責任追及が、被害回復に重要な意味を持ってきます。

学校で授業中に子どもが怪我をした場合、教師や学校に責任を追及できますか。

危険な状況にあったことを知りながら、何の対応もとらずに、お子さんが怪我をしたという場合には、教師や学校に責任が生ずると考えられます。ただし、怪我を予見できるかどうか、また予見したとして、結果を回避できたといえるかどうかについては、お子さんが怪我をした具体的な状況などから慎重に判断する必要があります。

任意整理

任意整理とは、弁護士等が、多重債務の返済が困難となった債務者の代理人として、返済方法に関して支払額の減額や弁済期間の伸長等を求めて債権者と直接交渉を行い、和解契約を締結するという手続です。
裁判所を利用することなく当事者間の交渉によって解決を図る手続ですから、債権者との合意によらず強制的に返済方法を変更することはできない反面、比較的簡便な手続により柔軟な解決を図ることが可能です。
和解の内容としては、債務元本が減免されることは通常ありませんが、遅延損害金及び将来利息をカットしたうえで、約3~5年程度の期間での分割返済という条件になることが一般的です。

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