震災被害
平成23年3月11日に発生した東日本大震災によって、福島県では強い地震により建物を中心に多くの被害が出た他、沿岸部では大規模な津波による被害が発生しましたが、同時に様々な法律問題も発生することとなりました。ここでは、震災によって発生した様々な法律問題のうち、代表的なものについて簡単に説明いたします。
原発被害
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、東京電力福島第一原子力発電所事故を引き起こし、原発事故による被害については、人災であるとして、東京電力株式会社への損害賠償請求がなされていますが、福島県内には有形無形の被害が未だに色濃く残り、賠償についても十分な水準に達しているとはいえません。
また、これまでは、事故などの損害賠償請求は3年で時効消滅とされていましたが、平成25年12月11日に原賠時効特例法の公布・施行により、今回の事故に関する原子力損害賠償請求権の消滅時効期間が10年となりました。
損害賠償請求を検討しているが、どのようなものが対象となるのかを基本的な点から説明したいと思います。ご依頼をお考えの方は、無料法律相談(東日本大震災扶助(法テラス)利用による相談)も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
民事介入暴力事件
民事介入暴力とは、「民事執行事件、倒産事件、債権取立事件その他の民事紛争事件において、当事者又は当事者代理人若しくは利害関係人が他の事件関係人に対して行使する暴行、脅迫その他の迷惑行為及び暴行、脅迫、迷惑行為の行使を示唆又は暗示する一切の言動並びに社会通念上、権利の行使又は実現のための限度を超える一切の不相当な行為。」と定義されています。
簡単に言えば、民事事件の相手方に対し、暴行、脅迫的な行動・言辞を弄して屈服させようとする人達を相手とする事件であり、別に暴力団に限定されず、えせ同和、えせ右翼、総会屋、執行妨害屋はもちろん、サラ金の取立て、宗教絡みの事案や、一般人でも執拗な電話や脅迫的言動(例えばクレーマー)があれば、民暴事件として扱われることがあります。
これまで、民事不介入の原則、すなわち「民事の法律関係には警察権は関与してはならない。」という原則が必要以上に強く主張されることがありました。これは、警察権は公共の安全と秩序の維持のためだけに発動でき、この目的に直接関係のない私生活及び民事関係には干渉することができないという警察公共の原則に含まれる講学上の概念です。これは私的自治に任されるべき民事取引などの対等当事者の一方に、公権力が安易に介入することを禁止するものです。
しかしながら、本来私的自治に委ねられている民事取引であっても、一方に暴力団等が代理人等として加担すれば、直接的な暴行・脅迫がなくても、その威嚇力により対等な関係が失われ、善良な市民は困惑し、あるいは恐怖を感じます。ここに、救済の必要が生じます。
暴力団関係者等による現場での具体的な暴行・脅迫行為等を速やかに排除するためには、警察に助けを求めるのが最も適切な方法ですが、民事介入暴力によって無理にさせられた約束の効力を否定したり、暴力団関係者の面談強要を禁止したりするためには、弁護士の力を借りて相手方に通知文を送る、交渉をする、必要に応じ裁判所に対する仮処分の申立てや訴訟提起をするといった対応も必要となってきます。
このようなご相談を受けた場合、弁護士は、所属弁護士会の民事介入暴力対策委員会、最寄りの警察、暴力団追放運動推進センターなどと協力・連携しながら対応することができますので、お気軽にご相談ください。
なお、今は大丈夫でも自分の会社がいつトラブルに巻き込まれるかわからない、あるいは、突然、暴力団関係者等が会社に言いがかりをつけてくるかもしれない、クレーマー対策が十分ではない、というような不安は、どのような企業・団体でも生じ得ると思われますが、日頃より、このような事態に備えて常時弁護士に相談できる体制を作っておきたい、不当要求に対する対処方法等について継続的に弁護士のアドバイスを受けたい、といったご要望がある場合は、弁護士と顧問契約を結んで、顧問弁護士を確保することをお勧めいたします。
医療事故
医療行為は、患者さんの心身に積極的な加療を行うことが多いものであるため、万一、投薬や手術等に過誤があれば、患者さんの生命・身体に重大な悪影響を及ぼすことになります。また、医師が、病名の診断や治療方法等に関する判断を誤った場合も同様の危険が生ずることになります。さらに、患者さんや患者さんのご家族等に対する医師の説明が不十分ないし不適切なものであれば、治療行為自体に過誤があったか否かに関わらず、患者さんの自己決定の権利を妨げ、あるいは患者さんやご家族等のご納得を得られず、結果的に心の苦痛についての損害賠償金である慰謝料の請求が認められることもあります。
こうした、患者さんやご家族等にとっても医師や医療機関にとっても不幸な事態を回避するためには、具体的な医療過誤行為自体を防ぐための技術の向上、治療機器や設備等の充実・整備、マンパワーの充実、過去の事故の検証と再発防止策の検討、再発防止策の徹底などが必要となりますし、説明義務違反等を原因とする慰謝料請求等を防ぐ意味では、ただ正しい内容の説明をするだけでは不十分な場合がありますので、患者さんや第三者の側からみても十分に理解・納得できるような適切な説明(ムンテラを含む。)をなす力を身に付けるための研修などが重要です。
また、患者さんの側に立てば、被害自体の回復ができないケースが多いため、真の意味で納得されるのは難しいと思われますが、真相の解明を求め、かつ適正な責任追及をなすことは、正当な権利行使として当然に是認されるものなので、患者さんやご家族の方々におかれましては、辛い心を奮い立たせて行動を起こされることも考えてよいのではないかと思います。
当法人の弁護士やスタッフは、医療事故の発生が限りなくゼロに近づくこと、医師や医療機関側の不十分・不適切な説明等による無用な紛争の発生が限りなくゼロに近づくことを願う思いは、いかなる立場に立っても同様であるとの考えから、医師や医療機関側か、患者さん側かを問わず、幅広くご相談に応じて参りますので、お気軽にご相談ください(なお、利害関係上ご相談に応じられないこともございますので、予めご了承願います。)。
強制執行
強制執行とは、給付請求権を強制的に実現するための手続です。例えば、ある人に金を貸したが返還してもらえない場合を考えますと、そもそも貸したのか否か(金を渡したのか否か、渡したとしても返す約束をしたのか否か、いつまでに返すという約束をしたのか)、返すと約束した時期が来たのか否か、貸したとしても返済したのか否か等に争いがあり、相手方が返済に応じない場合、訴訟によって、貸金を返還してもらう権利があるのか否かを確定してもらうことができます。もし、これがある場合、一定の金銭の支払を命ずる判決を得ることができます。
ところが、判決が出たとしても、相手が任意に支払をすればよいのですが、支払わない場合があり得ます。そこで、この場合に、相手の財産から強制的に権利を満足させる手続が用意されています。これが強制執行手続です。
学校事故(いじめ・事故など)
学校は、大人になってから振り返ると、人生の中で限られた時間・場所における一つの経験に過ぎませんが、現に学校に通う子ども達にとっては、人生の全てと言えるほど大きな存在であり、そこで生ずるいじめ等から受ける子どもの苦しみは甚大です。
しかし他方で、学校には子どもと教師しかおらず、教師が子ども達を常時監視することもできないため、学校で起きていることについて外部からは分かりにくいことが多いのも事実です。
そうした観点から、学校でのいじめや事故に対して、どのような対応が可能であるか、以下簡単に説明したいと思います。