過払金請求に、請求期限や締め切りのようなものはありますか。
原則として、貸金業者との取引が終了した時点から10年以内であれば、請求は可能です。
また、10年以上経過しているように思われる場合でも、請求できる可能性がありますので、まずは当事務所までご相談ください。
各種離婚手続の内容や違いについて教えてください。
協議離婚とは、夫婦が話し合いによって離婚するというものです。お互いの合意があれば、理由を問わず離婚することができます。
調停離婚とは、家庭裁判所の調停によって離婚するというものです。調停とは、裁判所において、調停委員会(裁判官及び調停委員)が当事者の間に入って調整を図り、当事者間の合意を成立させる制度です。調停委員会が間に入ることで、円滑な話し合いが期待でき、不当な内容の離婚を防ぐことが期待できますが、最終的には夫婦互いの合意が必要となります。
審判離婚とは、調停が成立しない場合に、調停申立の趣旨に反しない限度で、家事審判官(裁判官)の審判によって離婚するというものです。しかし、審判から2週間以内に異議を申し立てると効力を失うので、現実にはほとんど利用されていません。
裁判離婚とは、家庭裁判所の判決によって離婚するというものです。判決によって、夫婦互いの合意が無くとも離婚が成立しますが、離婚の訴えの提起は、調停が不成立ないしこれに準ずる取下げの場合に限り認められること、民法770条1項各号の離婚理由がなければ離婚が認められないこと等に注意が必要です。
和解離婚とは、訴訟(裁判)の中で、夫婦が互いに自らの主張を譲り合って合意を形成して離婚するというものです。離婚の訴えを提起した場合、和解離婚となるケースが多くあります。
私は、現在、妻と離婚の話し合いをしていますが、5歳の子どもがおり、その親権についてお互いに譲りません。妻が、話し合いの中で、「子どもが小さいのだから、親権者には母親がなるのが当然である。」と言っています。もし、調停や裁判などで親権が争われた場合、やはり母親である妻が親権者と定められてしまうのでしょうか。
子どもの親権者を定める際には、個々の事案ごとに、父母の事情(経済力や居住環境、監護補助者による援助の有無、監護の継続性、子どもとの心理的な繋がりの程度など)や子どもの事情(子どもの環境、交遊関係、学校関係、子どもの意思など)を考慮して、父母のどちらを親権者と定めるのが子どもの健全な生育に適するかという観点から判断されます。したがいまして、必ずしも母親が親権者と定められるわけではありません。
私は、私の不倫が原因で夫と夫婦仲が悪くなったため、離婚を考えています。私には3歳の子どもがおり、子どもの親権者には私がなりたいと考えています。親権者を決めるに当たって、不倫をしていたという事実は不利になるのでしょうか。
不倫(不貞行為)は、夫婦関係を破綻させた原因ではありますが、そのことをもって直ちに親権者として不適格であるということではありません。あくまで子どもにとって父母のどちらを親権者と定めるのが子どもの健全な成長に適するかという観点から判断されます。
私は、妻と離婚し、親権者となった妻が子どもを連れて実家に戻りました。せめて月1回は子どもと会いたいのですが、妻は子どもに会わせてくれません。子どもと会うためにはどうすればよいでしょうか。
親権者でない親が子どもと会うことを面会交流(以前は面接交渉と呼ばれていました。)といいます。面会交流は、その性質については諸説ありますが、一般には、親権者でない親の権利として認められ、調停や審判の対象となります。面会交流は、明らかに子どもの健全な成長を妨げるおそれがない限り、認められるべきであると考えられています。したがいまして、親権者である親が子どもと会わせてくれない場合には、調停や審判を申し立て、面会交流の実現を図るべきです。
私は、夫と離婚し、私が6歳になる子どもの親権者になりました。しかし、夫は、子どもと会ったときに、子どもを連れ去ってしまい、子どもを返してくれません。すぐに子どもを返してほしいと思っていますが、どういう方法があるのでしょうか。
親権者は、子どもの監護教育権を持っており、子どもを虐待しているなど特別な事情がない限り、監護教育権を根拠として、子どもの引渡しを求めることができます。手続としては、調停及び審判があります。また、審判前の保全処分によって、審判がなされる前に、仮に子どもの引渡しが認められる場合もあります。
私は、結婚後、専業主婦をしていましたが、夫との関係が悪くなったので、現在、夫と離婚について話し合いをしています。離婚後の生活を考え、結婚後に蓄えた貯蓄について財産分与を求めていますが、夫から「貯蓄は全部俺が稼いだお金だ。お前はずっと専業主婦だったから分与するとしても1割か2割だ。」と言われました。私としては、家事をして夫を支えていたつもりであるので、貯蓄の2分の1は分与してもらいたいと思っています。夫婦共働きの場合と妻が専業主婦の場合とで、財産分与の割合は異なるのでしょうか。
清算的財産分与における清算割合については、明確な基準はなく、夫婦それぞれの共同財産の形成・維持に対する貢献の程度によって判断されます。もっとも、現在の実務においては、特別な事情がない限り、夫婦共働きの場合か妻が専業主婦の場合かを問わず、清算割合は2分の1とされます。
私は、現在55歳の専業主婦であり、59歳の夫との離婚を考えています。年金を受給するまでの間、生活に不安があるので、離婚に際して、夫に対して財産分与を求めたいと考えています。しかし、私たち夫婦には特に財産はないので、夫が来年定年退職する際に支給される退職金の半分を分与してほしいと考えています。退職金は、財産分与の対象となるのでしょうか。
退職金は、賃金の後払い的な性格が強いので、実質的な婚姻期間(同居期間)に相応する部分は、夫婦が婚姻中に協力して形成した財産であるといえます。したがいまして、既に支払われた退職金のうち、実質的な婚姻期間に相応する部分は、財産分与の対象となります。
しかし、将来支払われる退職金については、退職時期や会社及び本人の事情、経済情勢などに左右されるので、必ずしも財産分与の対象となるわけではありません。もっとも、退職時期が近いなど、退職金が支給されることがほぼ確実な場合には、財産分与の対象と認められる場合が多いといえます。金額や支払方法については、離婚時点で退職すれば支給されるであろう金額を基準として離婚時に支払う、将来支給されたときに支払うなどの方法が考えられます。
私は、妻から300万円の預金について財産分与を求められています。しかし、住宅ローンの残額が1500万円で(住宅の名義は、私名義です。)、しかも住宅の評価額は800万円なので、いわゆるオーバーローン状態です。このような場合にも、財産分与請求権はあるのでしょうか。
夫婦共同財産に資産(積極財産)と債務(消極財産)とがある場合には、原則として、積極財産の総額から消極財産の総額を差し引いた残額が財産分与の対象となります。ご質問のケースですと、積極財産が1100万円、消極財産が1500万円と消極財産の額が上回っているので、原則として、財産分与の請求権は生じません。
ただし、実際の調停などの場では、住宅ローンが残っていても、住宅ローンの負担をどうするか等を考慮しつつ、財産分与が認められる場合もあります。
私は、夫が不倫をしたので、離婚をし、慰謝料を請求したいと考えています。慰謝料の金額はどのようにして決められるのでしょうか。
慰謝料の金額は、相手方の行為の有責性、婚姻期間、相手方の資力などを考慮して決められます。明確な基準といえるものはなく、個々の事案ごとに判断されることとなります。