消費者被害
クーリングオフ
クーリングオフをするには何か理由がないといけないのでしょうか。
何も理由は要りません。
クーリングオフに期間制限はありますか。
あります。例えば訪問販売の場合、申込書面や契約書面など、契約の内容を記載した書面の交付が消費者になされた日から計算して、8日間以内に、通知を発信しなければなりません。
クーリングオフをした場合、事業者に解約手数料を支払わなければなりませんか。また、支払ったお金は戻ってきますか。
クーリングオフをその決められた期間内に発信すれば、発信した時点で、契約は最初からなかったものになります。したがって、事業者は解約手数料等の一切の 金銭の請求をすることができませんし、消費者がすでに支払ったお金があれば全額戻ってきます。消費者が受け取った商品は、事業者の費用負担で返品ができます。
振込め詐欺
振込め詐欺の具体的な手口を教えてください。
「オレだよ、オレ。」などと、息子や孫等の家族を装い、突然電話をかけてきて、電話に出た方が「○○かい?」などと名前を確認すると、「うん、○○だけど、交通事故を起こしてお金が必要になったから、すぐにお金を振り込んでほしい。」などと言って、銀行等の口座に現金を振り込ませようとします。
お金が必要な理由の典型的な例としては、交通事故のほかに、「借金の返済」、「友人の借金の保証人になった。」、「会社のお金を横領してしまった。」、「女性を妊娠させてしまった。」など様々です。
振込め詐欺の手口は、より複雑・巧妙に進化しており、特に高齢者の方は注意が必要です。
振込め詐欺に引っ掛かってしまい、お金を指定された銀行口座に振り込んでしまいました。お金を返してもらうことはできますか。
法律上、お金をだまし取られた人は、詐欺を行った者から、そのお金を返してもらうことが可能です。
しかし、通常の場合、詐欺を行った者が任意にお金を返却してくれることはありませんし、詐欺を行った者はすぐに行方をくらまし連絡をとることすら難しくなることが多いので、一度、お金をだまし取られてしまうと、そのお金を実際に回収することは困難になります。
振り込んでしまったお金を保全する方法はありませんか。
詐欺被害にあったことに気づいたら、速やかに、振り込んだ預金口座を凍結する手続をとることが重要です。
振り込んだ預金口座のある金融機関に対して、すぐに連絡をしてください。
架空請求
架空請求に対しては、どのような対応をすべきですか。
請求書には「回収のため自宅へ出向く。」、「強制執行をする。」などの脅し文句が書いてあることが多いため、身に覚えがないにもかかわらず支払ってしまったり、問い合わせのため相手方業者に連絡をとりたくなることもあろうかと思います。しかし、架空請求は、不安な気持ちに付け込む手口の詐欺ですから、支払ったり、問い合わせの連絡をしたりせずに放置するのが一番の対処法です。
もしも、不安な場合には、弁護士に相談するのが良いでしょう。あなたの方から、請求者に対して、直接問い合わせをすることは、あなた自身の個人情報を相手に知られてしまう等の危険がありますので、控えるべきです。また、請求が悪質な場合には、警察に届け出ておきましょう。
身に覚えのない書類が裁判所から届きました。これも架空請求なのでしょうか。
架空請求者は、さまざまな名前をかたって請求してきます。時には、弁護士事務所や実在する公的機関、それによく似た名称を名乗るものもあります。
もっとも、裁判所から送られてくる書面は、「訴状」や「支払督促」といった、正式な法的手続に関するものである場合があり、そのまま放置すると、あなたに不利益な結果が生じる可能性がありますので、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。
証券被害
具体的に、証券会社のどのような勧誘が問題になるのでしょうか。
典型的なものとしては、①商品のリスクを説明しないで、その商品の有利性のみを強調して勧誘するケース、②価格が変動する商品について、断定的に「価格があがる。」とか「必ず儲かる。」などとして勧誘するケース、③投資家の投資目的、資産状況、投資経験等に適合しない取引を勧誘するケースなどがあります。
証券会社から、証券投資は、投資家が自分の判断で行ったものであるから、それで損失が生じたとしても、投資した者の自己責任であるなどと言われました。証券会社には何の責任もないのでしょうか。
証券取引の対象となる商品は、抽象的な権利であり、その内容も多岐にわたり、複雑であることが多いことから、一般投資家にとっては、大変わかりにくいものです。このため、証券会社が一般投資家の自己責任を問うためには、知識や情報もある証券会社の側で一般投資家に対して十分な説明義務を尽くし、自己責任を問えるだけの判断材料を提供する必要があります。
したがって、具体的事情にもよりますが、証券会社の勧誘方法に問題がある場合等には、証券会社に対し説明義務違反などの責任を問えることがあります。
未公開株商法とは何ですか。
未公開株商法とは、取引所に上場されていない株式(未公開株)について、「上場間近です。」、「近い将来、確実に値上がりします。」などと偽りの勧誘をして、高額な未公開株を購入させる商法です。
いつまで経っても株の上場がされないことを不審に思って、購入者が販売業者に問い合わせても、販売業者はさまざまな理由をつけて購入者を納得させ、さらに株の購入を重ねさせて、被害が拡大することがあります。その後、販売業者が廃業するなどして全く連絡がとれなくなることが多いようです。
未公開株商法については、販売業者に対し、一旦代金を支払ってしまうと、その後の被害回復が困難になりますので、よく注意する必要があります。