少年事件でも国選弁護人は付くの?
少年が逮捕・勾留されれば、成人の場合と同様に、一定の要件を満たせば国選弁護人が選任されますが、少年が家庭裁判所に送致された後はその資格を失います。さらに、国選付添人(成人の場合の国選弁護人)は、一定の重大犯罪を犯した少年についてのみ選任されるので、少年事件においては、私選で付添人を選任する必要が出てくるケースが多くなります。なお、資力が乏しい場合には、弁護士会と日本司法支援センター(法テラス)とが協力して行っている「少年保護事件付添援助制度」を利用することができるため、この制度を利用して、弁護士費用の負担をせずに付添人を付けられるケースがあります。
付添人はどのような活動をしてくれるの?
非行事実そのものを争う活動をしたり、被害者がいる事件では、被害者に被害弁償し、示談できるよう努力したり、環境調整をしたりします。また、少年事件では、家庭裁判所の調査官、少年鑑別所の技官その他の関係者の意見が重視されますので、必要に応じて学校の先生との面談や調査官や技官との面接も重ねながら、少年の福祉や更生のために必要な活動をいたします。
少年審判では、どのような処分がされるの?
少年審判については、審判不開始や不処分となることがあります。少年の保護処分には、①保護観察、②児童自立支援施設・児童養護施設送致、③少年院送致、④試験観察があります。
① 保護観察:保護司の指導・監督に服し、定期的な報告義務がありますが、従来どおり自宅で生活することができます。
② 児童自立支援施設・児童養護施設送致:親の十分な監護が期待できない場合に、適当な施設に入所させ、少年の社会復帰を促します。
③ 少年院送致:親の十分な監護が期待できず、少年の非行が進んでいる場合には、少年院に入所させ、少年の更生を促します。
④ 試験観察:少年の様子をしばらく観察してから最終的な処分を決定する方法で、親元に帰される場合と施設に預けられる場合とがあります。
少年であっても大人と同様に法廷で裁判されることがあるの?
少年事件の場合、原則として全ての事件が家庭裁判所に送致されますが、一定の重大な犯罪等を犯した場合には、家庭裁判所から検察庁に事件が送り返され(逆送事件)、送り返された事件については、検察庁は原則として起訴すべき義務を負います。検察官による起訴後は成人の場合と同様、公開の法廷で刑事事件の裁判を受けることになります。