遺言執行
解説
遺言をする方が、遺言どおりの内容を確実に実現してほしい場合、遺言の中で遺言執行者を指定することができます。このような遺言執行者を指定しておけば、相続人間の対立が予想されるような場合でも、あなたのご意思に従った結果となる可能性が高まります。
とくに、法律の専門家である弁護士に、遺言書作成とセットで遺言執行を依頼すれば、最も安全・確実であると思われますので、是非、弁護士にご相談ください。
なお、高齢社会の中で、自分らしくしっかりと生き抜き、死に際しても自分の思いどおりの結末にしたいとお考えの方は、ご自身の生活全般について弁護士が相談に乗り、見守りをお約束するパーソナルロイヤー契約を是非ご検討ください(パーソナルロイヤー契約を結んでいただくと、この契約とともに、財産管理契約、任意後見契約、遺言書作成、遺言執行者のお引き受けなどもセットすることができ、あなたの人生をトータルでサポートすることができます。)。
Q&A
私は、若干の骨董品(合計額は数百万円)と預貯金(合計額は数千万円)を持っています。私には、3人の子がおりますが、兄弟仲は良くありません。とくに、私所有の骨董品については、3人とも独り占めしたいと思っています。 しかし、私は、自分が死んだら、40年以上の親交のある友人が代表者を務める博物館に、私の持っている骨董品のすべてを寄付したいと考えており、子ども達には、預貯金を公平に与えたいと思っています。 そこで、私は、遺言書を作ることを考えていますが、子ども達が私の遺言を無視して骨董品の奪い合いをするのではないかという不安がつきまといます。このような場合、何か良い方法があれば教えてください。
あなたが遺言を残されても、全相続人が遺言書の存在を無視する、あるいは、一部の相続人が遺言を尊重しないというような行動に出た場合、あなたの遺言は有名無実化してしまう危険があります。このような事態に備えて、遺言の中で、あらかじめ遺言執行者を指定しておくことができます。
ただし、遺言執行者に指定された方は、実際に遺言執行者に就任するか否かの自由を有しているので、断られる可能性があるような方を指定しても不安は解消されないでしょう。やはり、遺言書の作成と遺言執行者の引き受けの双方を弁護士に依頼するのが、最も安全・確実であると思われます。是非、弁護士にご相談ください。