DV
解説
ドメスティック・バイオレンス(以下「DV」といいます。)とは、配偶者または元配偶者からの身体に対する暴力またはこれに準ずる精神的・性的な暴力のことをいいます。DVの被害に遭われている方の場合には、通常の離婚事件のケースとは違った配慮が必要となります。
Q&A
私は、夫からの度重なる暴力に耐えかねています。夫から逃れて生活したいと考えていますが、具体的にどうすればよいのでしょうか。
まずは、配偶者暴力相談支援センター(地域によって名称は異なります。)や警察署に相談すべきです。配偶者暴力相談支援センターでは、自立支援やシェルターの利用などの情報提供や一時保護等の援助を、警察署では、緊急性の高い場合には、一時保護などの措置をとってもらうことなどができます。そのうえで、DV加害者から避難をするのがよいでしょう。
また、DV加害者から被害者を保護する手段として、いわゆるDV防止法に基づく保護命令の申立てがあります。保護命令には、被害者本人への接近禁止、被害者への電話等禁止、被害者の同居の子への接近禁止、被害者の親族等への接近禁止、退去命令の5つがあります。保護命令に違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑罰に処せられます。
私は、夫のDVから避けるために別居しました。夫とは一刻も早く離婚をしたいのですが、どのように離婚手続を進めていけばよいのでしょうか。
協議離婚が成立する見通しがないので、調停申立てまたは訴訟提起によって離婚手続を進めていくことになります。もっとも、調停申立てや訴訟提起により、DV加害者からの暴力などがひどくなる傾向があるので、代理人弁護士に依頼しなければ手続を進めていくことは極めて困難であるといえます。代理人弁護士に依頼した場合には、DV加害者との連絡は代理人弁護士が行いますし、裁判所との折衝により、調停や裁判の期日においてDV加害者と直接接触しないよう配慮することが可能になります。